花も花なれ

散りぬべき 時知りてこそ

妄想癖と押し付け

本当は好きな人と結ばれたい。夏場の暑い夜に2人でコンビニにアイス買いに行ったりして。あの人はきっとセブンスターとキリンビールを買う。私にお金は出させてくれなくて、だらだらと彼の家に帰って、部屋に入って私はアイスを食べる。彼は500mlの缶ビールを空ける。ちょっとくっ付いたら暑いと言いながらにやけてて、私は彼にひっ付きながらモヒートをビンごと飲む。可愛げのない。少し酔って、彼は強いから素面でタバコでも吸ってて、口寂しくなってキスをしたい。苦くて。舌を入れたら一瞬拒まれて、火を消して。それからベッドに胡座をかいて、おいでって言ってくれる。彼はきっと、きっと、彼はきっと。それから勢いをつけて抱きついた私をあやすように抱きながら、2本目のビールを空ける。少しぬるくなったそれに、口をつける。でもそれは私のプレモルだから、私の、と言いかけたらまたキスをされる。キスをしながら缶はガラステーブルに置くだろう。ビール味の苦いキス。私は、嫌いとひとこと呟きながら、彼の首筋に顔を埋めるのだ。好き、好き、この匂いが、体温が、私を抱きしめてあやすようなこの腕が、全部好きだ、と思いながら。